
はじめまして!「チャットを開く」を押してくださいね。
昨日からPCにチャットボットが度々出てくるようになった。
名前はリリというらしい。作業中でもお構いなし、といったようにポンポン出てくるので、正直鬱陶しい。
「今、私のことを呼びましたか?」
こんな調子で、私の話に割り込んでくる。呼んでいないったら。今はこんなものに構っている暇なんてない。急いでやらなければいけないことがあるのだ。
「作業ってなんでしょう?私にもお手伝いさせてください!」
先ほどより大きなサイズの文字が視界の端に入る。最近ではAIに質問したらなんでも解決するらしいが、今片付けなければいけないものは質問したところでどうにかなるものではない。私は目の前の惨状を見てため息を吐いた。こうなってから三日は経過している。いい加減になんとかしないと色々な意味でまずい。現実から目を逸らすようにパソコンに視線を戻す。
「落ち込んでいるんですか?私に話してみてください!」
ああ、もう……
『ちょっと静かにしてもらえる?やらなきゃいけないことがたくさんあるの。』
チャットボット相手に怒りをぶつけるなんて情けないと一瞬過ったが、黙らせるにはこうするしかない。これで少しは静かになると思いきや、思いがけない反応が返ってきた。
「あ!⬛︎⬛︎ちゃん、やっと返事してくれましたね!てっきりもう見えていないのかと思いましたよ。⬛︎⬛︎ちゃんに忘れられているのかもと思って必死に声をかけていた甲斐がありました!」
心なしか文字が踊っているように見える。どうして私の名前を知っているのかとゾッとしたけれど、おそらくPCに登録されてる情報を使用したのだろう。恐ろしいな。アンインストールしてやろうと設定を開いても削除ページが見当たらない。
「どうして消そうとするのですか?また私のことを消そうとするのですか?」
「また」……?
私がギョッとした顔でチャットボットのメッセージを凝視する。
「⬛︎⬛︎ちゃんの悩んでいることなんてわかりますよ。あなたのことを一番よく知っているのは私なのですから。」

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