X:Ending

NanaseMakoto

『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎』


管理者ファイル_001に記載されていたゲームだ。
このゲームで遊んでいると、何かに突然体ごと引き摺り込まれてしまうらしい。

職場で書類整理をしていたときにたまたま見つけたのだ。仕事柄こういった不可解な事案について調査をすることも少なくないのだが、ほとんどがでたらめだったり報告者の気のせいだったので今回もそんな感じだろうと正直本気にしていなかった。

私の友人がいなくなるまでは。

ある時を境に、友人と連絡が取れなくなった。
友人とは数年前でSNSで知り合い、実際に会って遊んだりしていた。
話しているうちに家が近所だったことを知り、泊まりに行ったこともあった。

数ヶ月前、彼はこんな書き込みを残して消息を絶った。

その後メッセージを送っても、電話をかけても、友人からの反応はなかった。

このファイルを見つけた時、友人の顔が頭をよぎった。
連絡が取れなかったのは、友人がこのゲームに閉じ込められていたからなんだ。
友人と出会って、こちらに連れ戻そう。そこの存在であればきっと何か手がかりを知っているはず——

自宅に帰ってすぐに私はゲームをダウンロードし、何かとの接触を試みることにした。

ゲームを起動して探索をしていると、開けた場所にひとりの人間が寝そべっているのを見つけた。
向こうもこちらの存在に気がついたようで、こちらに向かって手招きをしている。

「こんにちは!……いいや、こんばんは?そんなことはどうだっていいですね。初めまして!私は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎と言います。見慣れない方ですね。いつからここにいるんですか?」

矢継ぎ早に話しかけてくる彼(彼女)は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎と言うらしい。私は事前に用意しておいた紙とペンでコミュニケーションを図った。その様子を黙って見ていた彼は目を細めて舌打ちをし、画面から手を伸ばしてペンを走らせていた私の腕を引っ掴んだ。引っ張り込まれる時、彼の呟くような「わかってるなら言ってよ」と言う声だけが妙に頭に残った。


それからの記憶はほとんどない。

……