大動脈串小国譚

嵐風

これは誰かと誰かを”つなぎ”とめる、小さな国の小さなお話。

「大動脈串小国」

ハイラル王国と宝石の国に挟まれた雄大な土地に大動脈串が落ちており、それを国だと言い張っている。

この国はその豊かな土壌とTOKIOによって農耕が繁栄し、いつしか豊穣の邦と呼ばれるようになった。
今では年に一度ドカ豊作を願うための収穫祭を催している。それ以外だと虎杖とアーニャの兄妹二次とかが盛り上がっている。

ある年、国王は家来に王都に住むアスベストという鍛冶職人に収穫祭で祀る「鍬」の鋳造を頼むよう命令した

  「王の命とあらば」

アスベストは齢若くして鍛冶の道をひた走り始めたばかりで腕もまだまだではあったが、これを快諾した

アスベストが鍬づくりに取りかかって1クール後、王の耳には噂が届いていた

 「若いのに真剣な鍛冶ぶりだ」
 「いやあ、あの子は師である父を早くに亡くして腕は未熟だが、目つきが違う」
 「フィッシャーズの新メンバーにしてみてはどうか」

これを聞いた王は、妙に胸の奥がざわついた

  「未熟な腕……だが目つきが違う、か」

王は豊作の象徴となる鍬を託した相手の様子を、どうしても自分の目で確かめたくなった

ある夜、王はマヂお気にの側近数名だけを連れ、愛馬ちぇる君の引く馬車でアスベストの小さな鍛冶場を訪れた

扉を開けると、炉の赤い光の中、彼が鉄を打ちこんでいた
痩せた頬に煤がつき、額から汗が流れ落ちる
打ち終えた瞬間、彼は深く息を吸い込み
ごほ、ごほ、と低く湿った咳をした

その音を聞いた瞬間、王は心の中でウケた

  「やw…なぁにあの咳はw」

王は目を細め、妙にじっとりとした感情が胸の内に広がるのを感じた
羨望にも、嫉妬にも似た、説明されることを拒むその感情
なぜ自分より二十も若い男の咳が、こんなにも”成熟”して響くのか

王のコンプレックスは”咳”であった
王はその冷蔵庫の如くクソデカ体躯のわりには
児子が母乳飲んで咽たみたいな咳しか出ない

そして今まさに彼の咳が王の恥部を指でなぞりあげ、逆にウケたのだ

  「ただちに彼を牢へぶちこめ」

それからなんやかんやあって無事にアスベストの鍬は収穫祭にて祀られることとなる。

“DAIDOMYAKUGUSHI KING”

そう銘打たれた鍬は秋の日を浴びて強く国の未来を照らした。

「間違っていたのはワシじゃった」

その年、王宮には新たな機関が設置され若い宮廷咳師が誕生した。

彼が精力的に痰を生産し続けたのはまた別のお話…

※この物語は一部フィクションとなっております。

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